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ジオテクノロジーズが健康分野の研究に貢献、 120万人超のデータで全国自治体の歩数分布を明らかに

共同研究を行う東京大学の研究者が「第26回日本運動疫学会学術総会」で最優秀演題賞受賞

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ジオテクノロジーズ株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長 CEO:八剱 洋一郎)は、東京大学の樋野公宏准教授と鎌田真光講師らと共に人々の歩行などの健康行動に関する研究を行っています。 この度、東京大学の研究者らが新たに、自治体間の歩数分布の格差に着目した分析を実施し、「第26回日本運動疫学会学術総会(2024年6月30日、会場:佐久大学)」で発表を行い、最優秀演題賞を受賞されました。

これは、全国の自治体レベルでの歩数分布を120万人超のデータで明らかにした貴重な研究であり、ジオテクノロジーズは大規模な歩数データを提供することで貢献しています。

各自治体の歩数などの情報を把握できるインタラクティブマップ

【図:各自治体の歩数などの情報を把握できるインタラクティブマップ】

研究の背景と目的

身体活動は健康の維持・増進に重要ですが、コロナ禍で在宅ワークが浸透するなど、運動不足や非活動的な生活習慣が蔓延しています。その対策を考える上では、基礎自治体レベルの身体活動の分布を把握することが重要です。

自治体や行政区画レベルの身体活動を報告した研究では、州や市、地域間で分布に差があり※2、また所得・就業状態・教育レベルといった社会経済状況によっても、分布に格差が生じている事※3が報告されています。しかしながら、既存の研究は、主に主観的な測定方法(アンケート等)を採用しており、客観的に測定された身体活動量について、全国の基礎自治体間格差の詳細は、明らかになっていません。

そこで東京大学の鎌田講師と荒井一光氏(大学院生)らは、ジオテクノロジーズが開発・提供する、ポイ活アプリ「トリマ」の大規模な歩数データを用い、日本における各自治体の歩数分布とその格差を明らかにすることを目的として研究を行いました。

※2州や市、地域間で分布に差がある(Adisasmito et al. 2020 BMC Public Health ; Hill et al. 2014 BMC Public Health)

※3地域間で社会経済状況による格差がある(Pabayo et al. 2018 J Public Health ; Kuvaja-Köllner 2022 BMC Public Health)

研究結果の概要

本研究の詳細は、今後、東京大学の研究者らによって論文として発表される予定ですが、概要は以下の通りです。

  • 本研究は、100万人以上の大規模なデータで全国の歩数分布を初めて明らかにし、自治体間で平均歩数に最大3,500歩もの格差の存在を示しました。
  • また、自治体の人口密度や対象者の社会経済要因によって歩数分布が異なり、地域環境や対象集団に合わせた対策の必要性を示唆しました。
  • 自治体や専門家等が活用できるインタラクティブマップ(図)の作成もしており、今後、二次データの公開と活用に向け、準備を進めていく予定です。
学会発表情報
発表者: 荒井一光,鎌田真光,吉田崇紘,山田育穂,樋野公宏.
題名: 120万人のスマートフォンアプリ利用者を対象とした歩数の大規模記述疫学
~自治体間格差に着目した分析~
場所: 第26回日本運動疫学会学術総会,2024.6.30, 佐久大学, 佐久市(長野).
東京大学大学院医学系研究科 鎌田真光講師のコメント

どのような地域で歩数が多いか・少ないか、また、その格差はどのような実態にあるのかを把握することは、健康・スポーツ政策を進める上で重要かつ基礎的な情報になります。しかし、実際にこのような実態を客観的に測定されたデータで把握できている自治体は極めて少ない状況にあります。今回の研究では、まず、自治体間での平均歩数の差が非常に大きいことが示され、また、人口密度が低く、車社会と言われるような状況の自治体においても、一様に全ての自治体や住民の歩数が低いわけではなく、自治体間・自治体内でのばらつきが大きいことなどが示されました。地域ごとに非活動的な層を同定し、歩行環境・公共交通の整備などを含めた身体活動の促進が必要となります。

将来的には、自治体や専門家等に活用していただけるよう、二次データの公開を考えています。データを活用することで人々の健康につながる政策の立案・評価やまちづくりに役立てていただきたいです。

ジオテクノロジーズとは

当社は、1994年の創業から一貫してデジタル地図を提供しています。翌年には地図ソフト「MapFan」を発売。その後、国内初のiモード地図や、カーナビ、法人向けの地図データ、位置情報ソリューションをはじめ、高度な自動運転の実現に不可欠なAD/ADAS用地図をいち早く提供しています。

また、2020年にリリースしたポイ活アプリ「トリマ」に代表されるアプリケーションのユーザーとの接点により、人の移動やその背景にある意識といった現実世界の状況「インサイト」をリアルタイムで把握することが出来るようになってきています。

当社は、これらの人流をはじめとする膨大なビッグデータと、約30年間整備してきた地理空間データを掛け合わせて最先端技術を用いて分析することにより、「今この瞬間のインサイト」を提供し、より快適でサスティナブルな世界の実現という社会貢献を目指しています。

本社所在地 東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコートセンターオフィス 22階
代表者
代表取締役社長 CEO 八剱 洋一郎
設立 1994年5月1日
事業内容 オートモーティブビジネス
エンタープライズビジネス
マーケティングビジネス
コンシューマービジネス