ESGメタバースカンパニーのジオテクノロジーズ株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長 CEO:杉原 博茂、以下「ジオテクノロジーズ」)は、移動するだけでポイントが貯まるM2Eアプリ「トリマ」を運営しています。また、累計ダウンロード数1,600万を越えるトリマを基盤として、ユーザーの位置情報データを取得・分析することができる『人流サービス』と、トリマユーザーへのアンケート調査が可能な『Geo-Research(ジオリサーチ)』を提供しています。
今回は、広島三大祭「胡子大祭(2023年11月18~20日開催)」の来訪者分析を実施。毎回30万人近くが参加する胡子大祭、今年の盛り上がりはどうだったのか、満足した人、満足できなかった人、その理由を調査しました。
< 調査結果のサマリ >
- 来訪者数は昨年比3割ほど減少するも、老若男女幅広い参加者で賑わった
- 「胡子大祭」の認知経路は「街中の掲示板」が約35%
- 今後の大祭運営上の課題は「会場設備・案内の充実」
男女満遍なく来訪、初日の18日(土)が来訪者数最大に
2023年の胡子大祭来訪者数を「トリマ」ユーザーの位置情報データをもとに拡大推計したところ、期間中の総来訪者数は約23万人だということが明らかになりました。同様の分析で、2022年の来訪者数は約29万人だったことから、今年は昨年に比べ約3割、来訪者数が減少したことがわかりました。 性年代構成比(図1)からは、性別毎の差はほとんどみられませんでしたが、世代毎では60代以上の割合が計23%と最も大きく、次いで20代の割合が計19%となっており若干の偏りがみられました。
日別の来訪者数(図2)を昨年と比較してみると、金・土・日の3日間開催だった2022年は中日となる土曜日が来訪者最大となっています。一方、土・日・月の3日間開催だった2023年は、初日の土曜日が最大となり、その後は右肩下がりという結果になりました。例年、土曜日の19時~22時には中央通りが歩行者天国となり、多くの人で賑わいますが、実際のデータからもその傾向を見ることができました。
来訪者にアンケート調査を実施
次に、実際に「胡子大祭」に訪れた「トリマ」ユーザーにアンケート調査を実施し、当日の行動や意識についてより詳細を明らかにしました。 「胡子大祭」への参加回数を調査した結果、「はじめて」参加した人が24%、「10回以上」参加した人が30%でした(図3)。歴史があり、地域に根付いた大祭でありながらも、常連のみならず新規来訪者まで幅広い層の参加がある大祭だと言えそうです。 参加形態についての調査では、「家族と」参加した人が29%と最も多いなど、複数人で参加した人の割合が高い一方で、「1人で」参加した人に関しても全体の4分の1を占めていました(図4)。一人でも、もしくは複数人でも、どんな人でも楽しめる大祭であったことが伺えます。
大祭の経済効果や魅力についても調査を行いました。「胡子大祭」に関連して地域で消費された金額を調査してみると、「お金は使っていない」と回答した人を含め、70%は5000円未満の消費金額となっています(図5)。「胡子大祭」の開催に合わせて、周辺の商業施設ではバーゲンや大売り出しなどが行われていますが、地域への経済効果という面で見ると、大きな効果を出せているとはいえないかもしれません。
では、大祭来訪者はなにを目的に参加していたのでしょうか。アンケートの結果を見ると、「大祭の雰囲気を楽しむため」という人が最も多く、47%でした(図6)。名物の縁起物「こまざらえ(熊手)」を購入し、商売繁盛の祈願を目的に訪れた人も14%と多くいました。なお、前述の「近隣商業施設のバーゲン」を目的に大祭に来訪した人は4%と、割合として小さいことがわかりました。また「夜神楽上演などのイベント」を目的に訪れた人は3%と最も小さく、イベントの魅力を事前にもっと発信できれば、来訪者増加に繋がるかもしれません。
「胡子大祭」に参加した回数と認知経路との関係性についてみてみると、「街中の掲示板」が35%以上と最も高い割合を示しており、地域の人々にとって重要な情報源となっていることがわかります(図7)。なお、「10回以上」参加している人は「その他」の割合が22%と高いことが特徴的ですが、この理由として、「毎年のことだから知っていた」や「ラジオ」、「新聞」という回答がありました。 この調査結果には、今後、「胡子大祭」の参加者を増やしていくためのヒントが隠れているかもしれません。例えば、現状「web検索」や「X(Twitter)」、「Instagram」などの割合は小さいですが、これを今より活用し、対外的に情報を発信していけば、新規参加者やリピーターを増加させる可能性があると言えるでしょう。
最後に、この「胡子大祭」に参加した人の満足度を調査すると、「やや満足だった」と回答した人が40%と最も多くなっていました(図8)。これに次いで「満足した」と回答した人が30%となっています。なお、「満足した」と回答した理由については、「お昼からやっているお祭りは子連れで行きやすいから」、「神楽などの催しものを楽しめたから」、「コロナ以前の活気ある胡子大祭が戻ってきたから」などの意見がありました。 一方で、現状、「やや不満だった」もしくは「不安だった」と回答した人たちの割合は全体の5%と小さい割合となっています。今後はこの数字をより小さくするとともに、「どちらでもない」と中立の回答をした24%の人たちにポジティブな印象をもってもらえるよう、改善施策を立てていく必要があるといえるでしょう。
改善施策を検討する際、必要となる情報についてもアンケートで収集することができました。満足度の調査で「満足した」以外を回答した人たちに対して、その理由について調査を行ったところ、休憩場所やトイレなどの「会場の設備に不満があった」という回答が45%と最も大きいことが明らかになりました(図9)。次いで、「現地の情報が不足していた」という回答が35%で続いています。 「不満だった」と回答した人の中には、「例年と代わり映えがしない」、「歩きたばこが不快」、「マスクをせずに咳込んでいる人がいた」という意見がありました。
最後に
今回の調査では、広島三大祭「胡子大祭(2023年11月18~20日開催)」をテーマに、『人流サービス』による来訪者分析と『Geo- Research』による意識調査を行いました。
400年以上も続く歴史ある「胡子大祭」は、参加者の満足度が非常に高く、地域に愛される大祭だということを改めて感じることができました。
今後、より一層大祭を盛り上げていくためには、実際の参加者からの意見を収集し、改善・反映する必要がありそうです。例えば、街の掲示板を最大の認知経路としている現状に対し、webやSNSを活用した周知を行うことで、より多くの新規参加者を獲得できるかもしれません。また、大祭の満足度をさらに高めてリピーターを増やすために、会場設備や案内、マナーの強化も検討する余地があるでしょう。
観光事業は、近年、地方創生の大きな柱として据えられています。ジオテクノロジーズは、今回ご紹介したような『人流サービス』と『Geo-Research』の活用により、自治体様の観光促進を支援しております。
「稼げる地方」へ、 今後もジオテクノロジーズは、地方に集客し収入源を生み出すアイデアを提供し、地方創生と地球を取り巻くさまざまな社会課題の解決に貢献していきます。
(執筆:GPマーケティング営業本部 阿部)
調査概要
エリア: | 日本 |
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対象者・サンプル数: | n=5,669ss |
回答者: | トリマユーザー10代~60代、男女 |
調査手法: | 人流サービス・Geo-Research |
調査期間: | 2023年11月18日~11月24日 |
胡子大祭について
毎年11月18日~20日の3日間に中区胡町にある胡子神社で開催される秋季大祭で、「とうかさん大祭」・「住吉祭」と並んで広島三大祭りの一つです。広島に冬の訪れを告げる祭りで、地元では「胡子(えびす)講」とも呼ばれ、商売繁盛の守り神です。 今年は、昨年に続きコロナ明け2回目の開催となりました。400年以上の歴史があり、商売繁盛の縁起物「こまざらえ(熊手)」を胡子神社に持ち込んで祈祷をしてもらう長い列は、風物詩となっています。「夜神楽上演」などのイベントも行われ、毎年沢山の人で賑わいます。
ジオテクノロジーズとは
当社は、1994年の創業から一貫してデジタル地図を提供しています。翌年には地図ソフト「MapFan」を発売。その後、国内初のiモード地図や、カーナビ、法人向けの地図データ、位置情報ソリューションをはじめ、高度な自動運転の実現に不可欠なAD/ADAS用地図をいち早く提供しています。
また、2020年にリリースしたポイ活アプリ「トリマ」に代表されるアプリケーションのユーザーとの接点により、人の移動やその背景にある意識といった現実世界の状況「インサイト」をリアルタイムで把握することが出来るようになってきています。
当社は、これらの人流をはじめとする膨大なビッグデータと、約30年間整備してきた地理空間データを掛け合わせて最先端技術を用いて分析することにより、「今この瞬間のインサイト」を提供し、より快適でサスティナブルな世界の実現という社会貢献を目指しています。
本社所在地 | 東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコートセンターオフィス 22階 | ||
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代表者 |
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設立 | 1994年5月1日 | ||
事業内容 |
オートモーティブビジネス エンタープライズビジネス マーケティングビジネス コンシューマービジネス |