ESGメタバースカンパニーのジオテクノロジーズ株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長 CEO:杉原 博茂、以下「ジオテクノロジーズ」)は、移動するだけで報酬が貯まるM2Eアプリ「トリマ」を運営しています。当社は、累計ダウンロード数1,500万を超える「トリマ」を基盤として、ユーザーの位置情報データを取得・分析することができる人流サービスと、アンケートサービス『Geo-Research(ジオリサーチ)』を提供しています。
今回は、NPO法人「江戸城天守を再建する会」と共同で、全国のトリマユーザーに対し江戸城天守の再建に関する意識調査を実施。江戸城の天守は過去に3回建造されていますが、1657年に発生した「明暦の大火」で焼失して以来再建されていません。そうした状況の中、人々は天守再建に関してどのような考えや意見を抱いているのでしょうか。
< 調査結果のサマリ >
- 回答者の約半数が城に興味があり、関西地方が49.2%で最も高く、ついで関東・甲信越地方、東海・北陸地方の順で興味度合いが高い。
- 回答者の70%弱が江戸城天守再建に前向き(後ろ向き30%弱、無関心5%)
- 回答者の60%弱が江戸城の歴史文化的な価値を重視している
城への興味度
まずは、江戸城に限定せず「お城が好き、興味がある」という人の割合を調査しました。
日本の城に対する興味関心の度合いを問う設問では、約47%が「とても興味がある」「興味がある」と回答。調査対象者の約半数が、城に対して関心を抱いている結果となりました(図1-1)。
その内訳をみると「とても興味がある」「興味がある」と回答した人(47%)のうち、男性は50.8%、女性は43.0%でした。一方で、「あまり興味がない」「興味がない」と回答した人(53%)のうち、男性は49.2%、女性は57.0%となっています。全体的な傾向としては、男性の方が、城に対する関心がやや高いことが分かります(図1-2)。
さらに、「興味がある」と回答した人は男性34.9%・女性33.3%となっており、男女で大きな差は見られません。一方「とても興味がある」と回答した人は男性15.9%に対して女性9.7%(+6.2)でした。
「とても興味がある」「興味がある」と回答した人のエリア別の傾向を見ると、関西地方が49.2%と最も興味度合が高く、ついで関東・甲信越地方、東海・北陸地方の順でした(図1-3)。
《図1-1》
《図1-2》
《図1-3》
江戸城天守再建に関する賛否
江戸城天守再建に関する設問では、「賛成」「どちらかというと賛成」が合わせて67.4%に上りました。
また、「どちらかというと反対」「反対」の合計は28.7%。一方でNPO法人「江戸城天守を再建する会」の調査では「江戸城天守を再建する会自体の認知度」と「再建に関する取り組みの認知度」については8割近くが「知らない」と回答していることから、「歴史的建造物の再建について漠然と良い印象はあるものの、実際的な取り組みについてはあまり把握していない」という人が多数派となっているようです。
《図2》
江戸城天守が担う意味~歴史的・教育的な価値に期待感あり
かつて失われたものを再建するとき、それはどのようなシンボルとして甦り、どういった役割を担うのでしょうか。本リサーチでは、江戸城天守を再建する意義についてあらかじめ用意したいくつかのテキストを回答者に読んでもらい、それぞれに対してどの程度賛同するかを回答してもらいました。内訳を見てみましょう。
まず「東京を象徴するランドマークとして」江戸城天守を再建するのは良いことだ、という考え(図3)。「どちらともいえない」(28.4%)が最多でありつつ、僅差で「ややそう思う」(27.2%)が続きます。
《図3》
次に、「インバウンドの需要に対して」江戸城天守があるのは良いことだ、という考え(図4)。海外からの観光客に向けたアピールになるのでは、という観光・経済寄りの考えとなっています。こちらも最多は「どちらともいえない」(31.4%)、「ややそう思う」(26.7%)と続きました。
《図4》
続いて、「日本の伝統文化を後世に伝えるために」江戸城天守があるのは良いことだ、という文化的観点に基づく考え(図5)。「ややそう思う」(31.9%)が最多となり、「そう思う」(22.7%)と合わせて54.6%の回答者が賛意を示す結果となり、比較的支持を集めているといえます。
《図5》
最後に、「子どもたちが日本文化に触れる学びの場として」江戸城天守があるのは良いことだ、という教育的価値に寄せた考え(図6-1)。最多は「ややそう思う」(32.9%)で、「そう思う」(23.8%)と合わせると56.7%となり、僅差ではあるものの、今回用意した4つの選択肢の中では最も賛同者が多い回答となりました。また、年代別に見ると40~60代、とりわけ女性からの支持が高かった選択肢でもあります。
《図6-1》
《図6-2》
再建にあたっては史料価値を求める声が
歴史的建造物や文化財の再建・復元にあたって重要となるのが、時代考証です。本リサーチにおいても、江戸城天守再建にあたって考証を重視するかといった旨の設問を設け、「そう思う」(28.6%)・「ややそう思う」(28.2%)の回答を得ました。
再建された天守がどういった役割を担うにせよ、史料価値の高い存在であることが期待されています。
《図7》
最後に
今回の調査では、江戸城が持つ歴史やそれに基づく文化的価値に注目し、未来を担う子どもたちに遺してゆくことへの期待感が感じられました。
皇居東御苑には、かつて江戸幕府の三代将軍・徳川家光が建造した寛永度天守が存在していました。1657年の「明暦の大火」で焼け落ちたのち天守台だけは造成されたものの、民生安定を優先した当時の幕府により再建はなされず、現在に至っています。
一方で、NPO法人「江戸城天守を再建する会」では、江戸から東京へと発展してきた都市のシンボル・江戸城天守を令和の世に復活させ、その遺産を次世代に継承するために活動しています。
同時に、ジオテクノロジーズは約30年にわたり、城やランドマーク含む施設情報や住所情報、道路情報を収集し、独自に整備してデジタル地図として提供しています。さらに「Geo-Research」によって、施設に対する人々の意見や考えを調査することも可能です。
これらの取り組みが過去と現在の架け橋となり、都市の歴史と未来をつなぐ重要な役割となることを期待しています。
調査概要
エリア: | 日本全国 |
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サンプル数: | n=10,550ss |
回答者: | トリマユーザー10代~60代、男女 |
調査手法: | Geo-Research(インターネット調査) |
調査期間: | 2023年9月1日~9月4日 |
NPO法人「江戸城天守を再建する会」について
【天守が再建されたら】歴史に忠実に木造で再建されたあかつきには、伝統文化技術の維持継承、国産木材利用による森林活性化への寄与、国際交流への貢献、日本のシンボルになると確信しています。
事務局所在地 | 東京都千代田区西神田2-5-7 神田中央ビル505 |
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代表者 | 理事長 島田 昌幸 |
設立 | 2004年12月(2021年12月 認定NPO法人認可) |
事業内容 | (1)江戸城天守再建の規模・様式、実施方法等の調査・検討並びに建設を行う事業 (2)再建江戸城天守の有効活用をはかるため、歴史・文化・観光等についての調査・研究並びに維持・管理、運営を行う事業 (3)江戸城天守再建の意義・必要性及びその実現方法並びに維持・管理、運営等について広報宣伝する事業 (4)江戸城天守再建の世論喚起のためのシンポジウム等のイベントを実施する事業 (5)歴史・文化・観光等の街づくりに関わる各種団体・機関と連携をする事業 |
URL | https://npo-edojo.org/ |
ジオテクノロジーズとは
当社は、1994年の創業から一貫してデジタル地図を提供しています。翌年には地図ソフト「MapFan」を発売。その後、国内初のiモード地図や、カーナビ、法人向けの地図データ、位置情報ソリューションをはじめ、高度な自動運転の実現に不可欠なAD/ADAS用地図をいち早く提供しています。
また、2020年にリリースしたポイ活アプリ「トリマ」に代表されるアプリケーションのユーザーとの接点により、人の移動やその背景にある意識といった現実世界の状況「インサイト」をリアルタイムで把握することが出来るようになってきています。
当社は、これらの人流をはじめとする膨大なビッグデータと、約30年間整備してきた地理空間データを掛け合わせて最先端技術を用いて分析することにより、「今この瞬間のインサイト」を提供し、より快適でサスティナブルな世界の実現という社会貢献を目指しています。
本社所在地 | 東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコートセンターオフィス 22階 | ||
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代表者 |
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設立 | 1994年5月1日 | ||
事業内容 |
オートモーティブビジネス エンタープライズビジネス マーケティングビジネス コンシューマービジネス |