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2023
November
22

ジオテクノロジーズ、栃木県の「宇都宮LRT」開業後を人流調査

人出250%増が判明、調査データは新規出店計画や不動産開発向けなどに活用可能

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ESGメタバースカンパニーのジオテクノロジーズ株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長 CEO:杉原 博茂、以下「ジオテクノロジーズ」)は、位置情報データを取得・分析することができる人流サービスと道路ごとに車の通行量を取得できるクラウドサービスを提供しています。

このサービスを活用し、今回は2023年8月26日(土)に開業した栃木県の次世代型路面電車システム「宇都宮LRT」周辺を独自に調査しました。

< 調査結果のサマリ >
  • LRT開業後には宇都宮駅東口で最大250%の人出増加、路線沿いのショッピングモールでは最大120%の人出がみられる。
  • LRT路線から徒歩20分圏内のエリアでも滞在人口が大幅に増加している。
  • LRT路線の周辺にある主要道路において、LRTが開業後に車の通行量は増加したものの、渋滞は発生していない。

宇都宮LRT開業後の人流分布図

図:宇都宮LRT開業後の人流分布図

調査背景、課題など

「LRT (Light Rail Transit:ライト・レール・トランジット)」は、各種交通との連携や、低床式車両(LRV)の活用と軌道および停留場の改良によって、乗客が比較的容易に乗り降りができるなど、あらゆる面で優れた特徴がある次世代型の路面電車システムのことです。最近では、2023年8月26日(土)に、栃木県の宇都宮駅でも開業されました。

昨今の地方自治体の少子高齢化や人口減少という社会課題がある中で、車の運転ができなくても市内を移動でき、健康で元気に生活していくための公共交通ネットワークとして期待が高まる「宇都宮LRT」が、宇都宮市民の行動にどのような影響を与えたのか、開業直後の人流データを分析し、調査しました。

調査概要

当社が保有する人流データと道路ネットワークデータを元に、宇都宮駅周辺とLRT開通路線へ接続する特定道路の自動車通行量について開通前後の比較検証を行いました。

期間: LRT開業後 2023年8月26日~9月2日の8日間
LRT開業前 2023年7月22日~7月29日の8日間
範囲: 宇都宮駅からLRT終点までの一部範囲
調査結果の詳細
A) 休日(土日祝)におけるLRT路線沿いの滞在人口

調査期間内の土日祝12時-17時で、LRT路線沿いにおける滞在人口を開業前後で比較した結果、LRT開業後は「宇都宮駅東口」で滞在人口が、最大250%増加していました。

さらに、路線沿いのショッピングモール「ベルモール」付近では、最大120%増加していました。

① 宇都宮駅東口エリア:開業後の滞在人口は開業前より250%増加

宇都宮駅東口エリア

② ベルモールエリア:開業後の滞在人口は開業前より120%増加

ベルモールエリア

B) 休日(土日祝)におけるLRT路線から徒歩20分圏内でLRT開業後の人流増加エリア

LRT路線から徒歩20分圏内では、滞在人口が最大40倍増加しているエリアが確認できました。

③ 宇都宮市平出町エリア:開業後の滞在人口は開業前の2~40倍

宇都宮市平出町エリア

④ 宇都宮市平石駅周辺エリア:開業後の滞在人口は開業前の2~23倍

宇都宮市平石駅周辺エリア

C) 休日(土日祝)におけるLRT路線の周辺道路の自動車通行量

調査期間内の土日祝の12時‐17時で、の自動車通行量を調べると、LRT開通路線より南側の県道1号線水戸街道と国道123号で通行量が7%~14%の増加がみられました。

道路通行量の調査範囲

図:道路通行量の調査範囲

道路の通行量

図:道路の通行量

D) 休日(土日祝)におけるLRT路線の周辺道路の旅行速度(渋滞)

調査期間内の土日祝の12時‐17時での旅行速度を調べると、上記の(C)自動車通行量は増加していたものの、旅行速度には変化が見られないため、渋滞にはつながっていないことがわかります。

LRT路線の周辺道路の旅行速度

考察

宇都宮LRTが開業し、始発駅である宇都宮駅の休日における滞在人口は、大幅な増加となりました。また、LRT路線沿いにあるショッピングモールの滞在人口も増加していることから、街の活性化につながっていることはデータからみても明らかです。LRTの目的のひとつでもある観光振興に役立っていることが分かります。

さらに、LRT路線の周辺にある主要道路については、一部区間で自動車通行量が増加しているものの、これによる渋滞は発生しておらず、LRTが既存の自動車通行に与える悪影響は少ないといえるのではないでしょうか。

今回の調査データは、LRTの開業効果による新たな出店計画や不動産開発向けなどにも提供可能です。何かご質問やご要望がございましたら、以下サービスサイトのURLまでお問い合わせください。

ジオテクノロジーズとは

当社は、1994年の創業から一貫してデジタル地図を提供しています。翌年には地図ソフト「MapFan」を発売。その後、国内初のiモード地図や、カーナビ、法人向けの地図データ、位置情報ソリューションをはじめ、高度な自動運転の実現に不可欠なAD/ADAS用地図をいち早く提供しています。

また、2020年にリリースしたポイ活アプリ「トリマ」に代表されるアプリケーションのユーザーとの接点により、人の移動やその背景にある意識といった現実世界の状況「インサイト」をリアルタイムで把握することが出来るようになってきています。

当社は、これらの人流をはじめとする膨大なビッグデータと、約30年間整備してきた地理空間データを掛け合わせて最先端技術を用いて分析することにより、「今この瞬間のインサイト」を提供し、より快適でサスティナブルな世界の実現という社会貢献を目指しています。

本社所在地 東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコートセンターオフィス 22階
代表者
代表取締役社長 CEO 八剱 洋一郎
設立 1994年5月1日
事業内容 オートモーティブビジネス
エンタープライズビジネス
マーケティングビジネス
コンシューマービジネス